原発の卵と壁

ツイッターを見ていたら、脱原発派のA氏(仮名)がこのような発言をしておりました。彼は、日本の脱原発派の多くを占める感情論的な脱原発派と異なって、きちんとプラントのこととかを勉強している人で、故高木仁三郎さんと似たようなスタンスの人なのです。

今の国は、複雑な手順で踏まないといけないことを、「ごり押し」と「なし崩し」で原発を動かそうとしている。このままじゃ全部駄目になってしまうし、同意なんか得られるわけが無い(要約)

最初は「何を言ってるんだ?こいつ」と思ってたのですが、しばらく思案していくうちにこの発言のあまりの重さに愕然となったのです。
要するに氏は、時間をかけて懇切丁寧で誠意のある説明を求めているわけですが、彼の発言ってのは根底に、「誠意をもって懇切丁寧に話せば解る」という”人”と、そして「変わることが出来る」という”原子力行政”への信頼があるでしょうし、そもそも期待をしてないなら批判すらしないわけですが、実際には、「『原子力村』の言う事なんて信頼できない」と自分から原子力に関して、チャネルを閉ざし、思考を停止している人かかなりの数いるわけです。

一年くらい、「原子力村」の人たちが泥水をすする覚悟で、説明を繰り返したらA氏は「誠意を尽くした」と再稼働を認めるかも知れません。
それは、氏が人と原子力行政や産業に根底にある信頼や知識があるが故の行動に過ぎず、自らが関心を持ち、自らがチャネルを開かないと、何万回・何億回説明しても、おそらく実際に原子炉を見せても、知識も説明も身に付くわけも納得もするわけも無く、どんなに彼らが、誠意を尽くしてもそれが無駄に終る可能性は高いと言わざるを得ません。さらに方々から再稼働への有形無形の圧力が強く、長期的な視点を持ち、冷静で腰を落ち着けた対応というのも難しいのも事実です。

そもそも地元の同意も法的な根拠も無いし、あっても変えればいいわけで、いざとなったら強権を発動し、強引に事を解決することだって出来るでしょう。実際に国というのはそれだけの力を持っているのですから、最終的に内政問題に関して政府という物は、自らの望むとおりに動かすことがのは間違いないのです。しかし、そうなった場合には成田闘争のように多くの人名が失われることに繋がりかねません。長期的なエネルギー政策にも大きなゆがみを残すことになるでしょう。(既になっているような気がするが)

A氏はそれでも、何年経っても頭を下げ続けろと言うでしょう。しかし、火力発電所の燃料費の負担増は年間で少なく見積もっても3兆円にものぼる負担は、復興だ円高だという日本経済としてはとても承伏が出来ないのも事実であり、経済的な動乱は避けられないでしょう。
つまり、Win-Winの関係はもはや不可能で、どっちを選んでも「後の世に禍根を残す」というのはもはや規定事項であるのです。

そして、A氏は「動かさない事」への「禍根」にあまり目が向いていない。それはおそらくは関心が経済や社会にあまり向いていないからで、ある意味でチャネルを閉ざしてしまっている。こうなると何万回説明して、「時間切れだから」と動かすことをかたくなに認めないでしょう。

この問題はまさに、村上春樹が体制側を「固く高い壁」に、それにぶつかって壊れる個人の精神を「卵」に例えた「卵と壁」の話に近いのでは無いでしょうか?

普天間の最低でも県外とか、自然エネルギーで脱原発とか、みんな自分が卵だって思い込まされるような夢が多すぎるんだよ。この国に生きている限りは誰しもが大半の時間を知らず知らずに壁として暮らしている訳なんだけどな。その場合に卵が砕けることを当たり前としていないのか、それ以上に卵を作っていないのか、ということを考えたい。

http://d.hatena.ne.jp/lm700j/20111102/1320218328
よりぬき障害報告@hatena

まさに、「卵」という個人の精神と、社会という「壁」のぶつかり合い。高木氏のような現実的な脱原発派は、真面目に現実を直視するが故に、それに苦しめられてきたせいで党勢を拡大できず、そして、このつらい現実に目を背ける山本某のような連中の跳躍跋扈を許してしまったのが実態では無いでしょうか?

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  • ここは酷い大減便ですね

    Excerpt: 3月20日(火・祝)全線のダイヤ改正を実施! http://www.hanshin.co.jp/company/press/pdf/20120120-11.pdf 平成24年のダイヤ変更について .. Weblog: 障害報告@webry racked: 2012-01-21 01:52