メイド・イン・ジャパンと日産
メイド・イン・ジャパン(廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ)
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/16588422.html
企画・開発が国内、生産が国外だと、人件費など見掛けのコストは安くなりますが、リードタイムという見えないコストは著しく不利になります。特に変化の早い製品は非常に大きな不利になります。変化の速い製品の場合、製造ラインの立ち上げの速さでメーカーの強さが決まります。だから、海外生産が有利かどうかは、製品の種類や性質によって全く異なります。というのが、答えでしょう。
これを見て、このニュースを思い出しました。
http://s03.megalodon.jp/2009-0509-1000-32/www.tokyo-np.co.jp/article/car/news/CK2009011702000048.html
日産、「マーチ」タイに移管 新車など60車種は2割減(東京新聞)
日産自動車が、小型車「マーチ」を2010年に全面改良する際、生産を追浜工場(神奈川県横須賀市)からタイの工場へ移管し、日本に逆輸入して販売することが16日、明らかになった。日産は09年3月期連結営業損益が赤字に転落する見通しで、為替の円高傾向が続いている中でコスト削減を狙う。併せて経費削減のため、08-12年度に世界で発売を予定している新型車と全面改良車の計60車種のうち、約2割を減らす方針。業績悪化を受けて09年3月期は役員賞与の支給を見送り、10年3月期は役員報酬を大幅削減することを検討する。
新型マーチは、フランス自動車大手ルノーと共同開発する車台を使い、タイの工場で製造。日本のほか、東南アジアでも販売する予定。追浜工場では代わりに、10年に発売する電気自動車などを製造する見通し。
日産は、欧州で販売する小型車「マイクラ」も英国の工場での生産を10年に終え、インドの新工場へ移すことを既に決めている。
これへの反応は「日本オワタ」一色で、派遣切りの世論の風当たりを受けて決めたことであり、「正社員も派遣社員も首を切れないようでは製造業はどんどん海外に移るだろう」という見方が大勢でした。ですが、これは派遣切りの世論の風当たりを受けて急に決まったことではなく、前々から噂にあったことでした。
しかし、日産という会社自体も日本企業とは言えなくなっている面もあります。というのも、ご存じの通り日産はルノーと資本提携を結び、ルノーが44%の日産株を持っていますし、カルロス・ゴーン氏は日産とルノー双方のCEOを勤めています。
そのせいか、ビジネスコンサルタントの中島孝志氏によれば一般的に日本企業は配当を抑えてその分を投資に回すというやり方が一般的ですが、日産はリーマンショック以前の2008年3月期では実にトヨタの3倍の配当利回り(トヨタ4.62%、ホンダ3.91%に対し、日産は13.94%)を誇っておりますが、このことはルノーに利益を送金する為と揶揄される向きもあります。
正直私から言わせれば、日産自動車という日本風の名前ではありますが、実態はルノー・ジャパンというのが正解だし、ドライきわまりない欧米の会社の世界戦略の見直しの一環と見れば納得がいくような話だと思います。
しかし、それでも悲観論を垂れ流すのが悲観論者クオリティですが、基本的に彼らは儲かればなんでもやる存在と言うことを忘れてはなりません。なんせビッグスリーは技術の中核のエンジンの開発すらアウトソーシングしていたようですし、当の日産でもゴーン革命の影響でハイブリッドエンジンを始め様々な技術開発がことごとく中断した経緯があります。
ですから、日産は未だにハイブリッド車を出せていませんし、日産が熱を上げている電気自動車なんてものは途上国やベンチャー企業でも参入できると言われており、技術的にはそんなに凄いものではありません。
つまり終わったのは日本ではなく日産なのです。
しかし、それでも今の雇用制度が悪いとおっしゃる方は多いでしょうが、それについてはまた明日。
この記事へのコメント
ハイブリッド車開発ではトヨタやホンダに大きく水を開けられました。
経済発展も生活を豊かにするのも技術革新が必要です。
理工系の拡充が必要でしょう。
もっとも如何に国内資本の純日本企業と言えども経済がグローバル化し多国籍化しているなかで旧来の日本的経営のみを続けていくのは不可能ではあるでしょうけど。
まぁそれでも日本の日本としてのエッセンスみたいなものをちゃんと維持し続ける企業は生き残るかな?
そうなんですけど、理工系が自虐的に「自分たちは虐げられている」というとかえって逆効果になりそうだと思います。
それに、理工系のリーダーが必要という声は根強いですけど、理工系のリーダーでもソニーの久多良木さんみたいな馬鹿も居ますし、結局有能かどうかだと思いますね。ただ、体育馬鹿は個人的に勘弁したいですが。
>日本の日本としてのエッセンス
例えば近江商人の「売り手に良し・買い手に良し・世間に良し」なんてのは、どこの国でも通じる普遍的な者だと思いますし、それを金融界は忘れた(意識していない)からあんな事になったのかな?とも思います。
確かに,あかさたなさんのおっしゃること,感じてはおりました。
「すべて日本のやり方がいい」とまではいえません(外国から学ぶべきものもまだまだ多いと思います。)が,日本の良さを捨ててしまうのはもったいない。
日産には,環境ディーゼルエンジンなどの開発で,さらにがんばってほしいものです。競争相手がいないと,トヨタやホンダもおごってしまいます。