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zoom RSS 「経理屋の発想」で豊かな国は出来ない

<<   作成日時 : 2009/11/11 23:05   >>

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『「儲け」の法則』(唐津一著 PHP研究所 絶版)という本に安易に文化や研究の予算を削ろうとしている政権への戒めのような記述があったので引用してきます。

「経理屋の発想」で儲かる会社は出来ない(P137~138)

付加価値というものは創造する物であり、どこからか持ってきてつける物ではない。冒頭で鉄鉱石から鉄板、鉄板から自動車の話をしたが、(引用者注意:例えば鉄鉱石が自動車になると10倍以上の値段で売れる。これを著者は付加価値と考え、それを以下に産み出す事が経済のキーワードであると提唱している)価値は加工した物が創造したのであり、株や土地のように転がしてサヤを稼いだ物ではない。ところが、この自明なことを「経理屋」の人々は理解出来ない。物作りで稼いだ金も、土地や株が値上がりして稼いだ金も同じように考えてしまう。だから、効率重視のその場しのぎ経営をしたがるのである。彼らの意見を真に受けて、以下に多くの優良企業がバブルに沈んだかを思い浮かべれば、その罪は軽くないはずである。

経理屋の人々から見れば、ものづくりは効率が悪く見える。設備投資や開発投資が常に重くのしかかってくるし、多額の投資をしてもその見返りが100%約束されているわけではないからだ。

誤解して貰っては困るが、私は経理に携わる人を憎んでいるわけではない。彼らが居なくては会社が運営できないし、経営者は金勘定に忙殺されてしまう。問題なのは、貨幣経済の面でだけ企業活動をとらえようとする視野の狭い一部の人々なのである。

現場たたき上げの人が全て優秀な経営者ではないが、少なくとも現場を知らずにものを言う人たちよりは地に足がついている。天下国家や世界経済を論じる前に、まず現場を足で見て回り、お客を肌で知る必要がある。それなしでは、いかに高尚な理論を学んでいても、経営が机上の空論になってしまう。

経理屋の人々は、基本的に悲観主義である。自分たちの価値を創造する力を正しく評価できていないために、変化があると必ず悪い方に考えてしまう。経営とは変化への対応であるから、それでは困る。(略)

まさに、財務官僚や彼らの手先になってしまったような民主党、マスコミへの戒めでしょう。文化や研究はまさに「見返りが100%約束されているわけではない」投資でしょう。小泉政権時の緊縮財政で研究予算が削られて「儲かる」ものだけにしてしまったという話がありますが、儲からない研究がひょんな事で大もうけできる研究になる事も珍しくないのに、まさに暴挙にも程がある。

そして、「経理屋の人々は、基本的に悲観主義である。自分たちの価値を創造する力を正しく評価できていないために、変化があると必ず悪い方に考えてしまう。経営とは変化への対応である」という下りなんかは「経理屋」を「財務族」とか「マスコミ」に置換え、「経営」を「国家運営」に置換えればまさに今の日本の現状を言い当てているのです!

この本は絶版なので、入手が困難なのですが、非常に面白い事が沢山書いてあり、是非PHP研究所は再販を検討すべきでしょう。

「儲け」の法則 「売れる仕組み」を作れば売れていく!
PHP研究所
唐津 一

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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
経理屋にも後ろ向きな人と前向きな人がいます。
前向きな人は裏方に徹して経営者がやる面白い事を楽しみにして、会社がつぶれたら「はい、次」…無責任じゃないですよ、経営者のせいですからね。
後ろ向きな人は表に立って無駄を切りまくります。責任感が強いとも言えましょうか…経営者より偉いんだ、と言うところを見せたいんですね。
コミュニケーション次第だと思います。以心伝心なんて親子間でも危ういのに、他人に期待しないことです。素直になりましょう。会社はつぶしたくないが研究は最優先だ、とか何とか身も蓋もないと思っても。
クマのプータロー
2009/11/12 10:43
日亜化学ってご存知ですか?
青LEDを開発した中村さんが、かつて勤務していた会社です。会長は、中村さんの偏屈だけど研究者としての能力を買っていたらしく、留学までさせてこの発明をものにさせました。一方、経理屋上がりの婿養子は、中村さんを金食い虫として嫌っていたみたいです。結局は中村さんは、そこを飛び出してしまうのですが、同じような話しですね。
一方、アメリカ人はチャレンジを尊重する風土があって、分けの分からないベンチャービジネスでも可能性があると判断されれば簡単にお金を借りることが出来ますよ。これは、正に国民性と風土の違いだと思います。
ぐりぐりももんが
URL
2009/11/12 11:32
ぐりぐりももんが さん

中村氏ご本人の主張によれば、そのようになりますが
実はその経理屋上がりの婿養子社長さんが、青色LED開発資金に許可を与えたご本人であり、自宅を抵当にまで入れて製造装置開発資金を捻出した当人であります。

一方、中村氏が日亜をやめる前年の待遇と言えば、年収2000万、年間150日を日亜を代表して世界各地での講演や会議発表をさせてもらえる部長待遇。
どこがスレイブ中村だったのでしょうか?

肝心の青色LEDの開発において、中村氏が主張するようにたった1人での開発でなく、何十人と関わっています。

日亜化学の例こそが、日本でもチャレンジを尊重する風土があることの証明であるように思いますよ
KAZ
2009/11/12 12:51
>KAZさん
報酬より、権力で報いるやり方が伝統的だったのですが、何故それを不服としたのか?と言うのが終始疑問である・・・などと科学の研究者であった父はあの訴訟の最中、終始申しておりました。
結局の所、判決直前に日亜化学のパテントに抵触しない方法で青色LEDを作る方法を東北大が開発してしまいましたが…

最も、「失敗を許容する」「変わり者を遇する」風土が急速にやせ衰えて来ているのは憂慮するに値するかもしれません。
もするさ
2009/11/12 13:21
中村さんの話は、彼を扱った伝記風の既刊本を読んでいたので、その記憶に従ったのですが、間違いなのかずいぶんと実態は違うと言うことになるんでしょうね。
ところで、おれ自身も会社で変り者だったんですよ。でも、語学が人よりできたので生き残りました。捨てる神あれば、拾う神ありで、会社も適材適所を見出せば良いのだと思います。
ぐりぐりももんが
2009/11/12 14:43
もするさ さん

>最も、「失敗を許容する」「変わり者を遇する」風土が急速にやせ衰えて来ているのは憂慮するに値するかもしれません。

同意です、パイが縮小すればニッチも狭まるということでしょうか

ぐりぐりももんが さん

他人のところで長々との話もなんなので、裁判も落ち着いたころに書かれた、これなどを読んで判断されてはいかがでしょうか
http://techon.nikkeibp.co.jp/NEWS/nakamura/mono200406_1.html

KAZ
2009/11/12 15:02
個人的に経理が経営して失敗したなと言うのはTBSですね。

確かに、制作費を二倍にしたからと言っても、視聴率も売り上げも倍になるとは限りませんが、制作費を極限まで下げてまで、ビルを建てるというのは本末転倒だと思います。

これも、日銭のお金が入る不動産に目がくらんで本業をおろそかにした結果でしょうね。
あかさたな
2009/11/12 20:16
例の予算の仕分けで次期スーパーコンピューター開発の予算が「国民の目線で言うと世界一にこだわる必要があるのか」って事でバッサリ切られたらしいですが、これなんか正に経理屋の目線なんでしょうね。
ほんとの政治主導ってのは、将来を考えて経理屋の主張を管理する事だと思います。
KAZ
2009/11/13 13:54
文化や科学系の予算がバッサリ削られたみたいですね。
無能な経理屋の目線からみたら無駄の極地にしか見えてないんだろうなあ。(怒)
あかさたな
2009/11/13 20:26
技術は世界中で1位を争っているので、1位を取ることを諦めたら2位も3位も取れやしないでしょうね。ただ、スパコンを日本が国を挙げて開発しなければならないのかは議論する必要があるとは思います。そういう議論にはなってませんけどね。

とりあえず、オリンピックの金メダルを争っている選手に「世界一にこだわる必要があるのか?」と是非とも聞いて欲しいものですけど。
赤い砂兎
2009/11/14 08:30
経理屋は詰まらないようにお金を差配するだけで、使い方にケチはつけても使途を決定してはいけないのです。金かけた分効果が上がれば世の中苦労ないわけで、不確実な成果を数値化することに「目安」以上の意味はないと思います。

文部科学省の官僚の皆さんには新政権が掲げる政策の予算を削って先端科学技術やスーパーコンピューター関連の予算を復活させる気概を持ってほしい所です。新政権の閣僚から気狂い扱いされても世の中的には正常ですw。
クマのプータロー
2009/11/14 20:46
仰るとおりです。「一位がこだわらなくても良い」論法が通用するなら、トップアスリートへの助成もカットできます(すでにしているのかな?)、天皇制も廃止できると思います。

ところで、この中継の為の配信代金が3000万掛かるそうですが、「ニコ動で十分じゃん」という指摘がありますしねえ。私も同感です。
あかさたな
2009/11/15 07:27
スパコンを開発してもそれを使って利益を得るのは民間会社が云々なんて発言もあったようですが。んなこと言ったらあらゆる技術開発は?というのは置いておいて。

スパコンは天気予報から地球シミュレータまで、流体の計算には必須のものなので、国が使う用途も立派に存在するし、だいたいから、温暖化問題にとっては温暖化の影響を計算するためには必須なはず。

それが不要ということは・・・
赤い砂兎
2009/11/15 23:08

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